Rose in many Colorsに寄せて・・・


「悲劇」があるから、その物語はドラマチックに彩られ、何時しか心の記憶として、扉の奥に鍵をかけられていく。
「悲劇」を覚えたから、気持ちは大きく揺さぶられ、失くしたくない想いとして、心に澱を成していく。。
 
  赤い薔薇が僕らに映し出す、その鮮やかな”あか”。「赤」「紅」「朱」「緋」…同じ「あか」という言葉にも、いろんな表情を持った言葉が連なっている。
同じ「赤」でも、その人の捉え方や心模様次第で、いろんな発色を帯びていく。。。
まさに2人の音楽も、そんな心の持ち方次第で、いろんな色を発してゆく。。。
 
  Rose in mamy colorsの音楽に触れたとき、何よりも強く感じたのが、Ogawara Shusaku の描き出す、
悲哀な感情を抱かせながらも何処か胸を疼かせる刹那な色を持った、スケール感にあふれた壮麗華美な音世界。
そして、今にも気持ちが壊れそうなくらい思いきり感情を掻きむしるかのように慟哭していく Alphaの歌声。
そんな 2つの魅力が様々な色彩を描きながら、一つの形を成していく姿だった。

  中でも Alphaの声の魅力。。。
張った声というよりも、抜いた抑揚を持った声質にこそ魅力を感じる彼女の歌声は、
楽曲の持つ”刹那なドラマ性を描く調べ”と重なりあうことで、そこには「悲劇のヒロイン像」さえ映し出していく。
  気持ちを揺さぶる歌は、この世にはいくらでも落ちている。でも、聴いた人みずからを、そのドラマの主人公に導き、
胸掻きむしるほどの感情的な高揚を覚えさせる歌には、なかなか出会うことはない。
 
 僕は、それを見つけた。。。
 
  Rose in mamy colorsの楽曲は、僕に「心揺さぶる感動の涙」を与えてくれる。その感動に触れ続けていたいから、僕は何度もその音楽を繰り返してしまう。
まるで、愛おしいくらいに離れたくない恋人のように。。。
その”あか”い魅力に魅せられ悲哀の連鎖を繰り返していく、薔薇の僕(しもべ)たちのように…。
 
                                                                         音楽ライター:長澤智典